転移性乳がんに対してホルモン併用治療が有効
転移性乳がんに対してホルモン併用治療が有効
(がんサポート情報センター最新トピックスより)
ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌の発表によると、転移性乳がん患者の一部では、がんの増殖を刺激するエストロゲンの働きを異なる方法で阻害する2剤を併用することで、病勢進行を遅らせ、生存期間の延長につながる可能性が第3相の臨床試験で示された。
今回の試験の結果、アロマターゼ阻害剤のアリミデックス(*)と抗エストロゲン剤のフェソロデックス(*)による併用治療を行った転移性乳がん患者は、アリミデックス単剤治療の患者より無増悪生存期間も全生存期間の結果が良かった。
本試験には、閉経後のホルモン受容体陽性の転移性乳がん患者で、転移がんの治療を受けていない約700人の乳がん患者が参加し、2つの群に分けて観察された。
ホルモン剤併用群の患者には、初回投与時にフェソロデックスの標準量である500㎎を投与し、その後は250㎎が投与された。また、アリミデックス単剤群の患者の約40%は、乳がんが進行を始めた後は、低用量のフェソロデックスでの治療が開始された。
無増悪生存期間中央値は、併用群は15カ月に対し、アリミデックス単剤群は13.5カ月であった。また、全生存期間は併用群では47.7カ月に対して、アリミデックス単剤群は41.3カ月であった。
副作用は比較的弱く、両群に著しい差はなかった。それでもなお、アリミデックス単剤群の42人と併用群の51人に、筋骨格痛、インフルエンザ様症状、呼吸困難といった重症の副作用が認められた。
今回の試験で使われた両薬剤はすでに転移性乳がんの治療薬として承認されている。
*アリミデックス=一般名アナストロゾール
*フェソロデックス=一般名フルベストラント
*フェソロデックス=一般名フルベストラント
(一般社団法人日本癌医療翻訳アソシエイツ)
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