乳房温存術施行後の放射線療法で生存率が改善

米国国立がん研究所(NCI)が2週間おきに発刊する「NCI Cancer Bulletin」日本語版より。
NCI キャンサーブレティン2011年11月1日号(Volume 8 / Number 21) -米国国立癌研究所発行
 ・乳房温存術施行後の放射線療法で生存率が改善
乳房温存術後の放射線療法施行により乳癌再発リスクが大幅に減少し、本疾患による死亡リスクがやや低下したことがEarly Breast Cancer Trialists’ Collaborative Group(早期乳癌研究者共同グループ)によるメタ解析の最新結果で明らかになった。
Lancet誌電子版で10月19日に発表された本結果は、乳房温存術に放射線療法を併用するのと併用しないのとを比較した17のランダム化試験に参加した約11000例の女性のデータに基づいている。放射線療法は術後乳房に残存する微小疾患を取り除くことで、乳癌再発や他の部位への転移を予防するのに役立つ可能性がある。
著者らの報告によれば、放射線療法は最初の10年において乳癌再発の絶対リスクを16%低下させ(35%から19%へ)、術後15年の乳癌死の絶対リスクを4%低下させた(25%から21%へ)。
乳癌の生物学的分類によって放射線療法の乳がん再発抑制効果に差があることを本試験は明らかにした。エストロゲン受容体陽性の腫瘍を有する患者のほうがエストロゲン受容体陰性やトリプルネガティブ乳癌の女性よりも有益であった。
10年乳癌再発率の相対リスク約50%の低下は、化学療法単独やホルモン療法単独で得られる結果を上回ると、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのDr. Thomas Buchholz氏は付随論評で述べた。この改善はHER2陽性乳癌患者に対するトラスツズマブ(ハーセプチン)により得られるベネフィットとほぼ同等であったと、彼は続けた。
今回の解析を含む臨床試験に患者が参加して以来、検査や手術、病理、放射線療法、全身療法はかなり変化している。そのため、再発に関し放射線療法がもたらす絶対リスクの低下は、今後の患者においてはこれらの試験の記録とはかなり異なることが考えられると著者らは述べている。
それでもなお、このベネフィットは絶対リスクが大きく異なる幅広い患者の間で確認されたものである。このことから、本アプローチが乳房温存術を受ける未来の患者においても、本研究で解析した試験に含まれる女性と同じではないものの、同様のベネフィットを受ける可能性があることが示唆されたと著者らは結論づけた。
 

Çava!

Çava!(サヴァ)~さいたまBEC~ 乳がんを体験した方たちが 「地元で気軽に笑顔で集まれる」 「乳がんになっても楽しいこと探そう!」 をテーマに活動しています。 おしゃべり会は毎月第3木曜! ヨガ(NYOGA)も好評開催中です!

0コメント

  • 1000 / 1000